天を衝く槍



―—何故?


割と少ないウサギを全て倒した後、その疑問が私を埋めた。


だって私がウサギに噛まれてから、かなり時間は経ってるし、その間に私は任務にも行ってウサギを倒してきた。


何故、今頃?


ギルが改造されたヤツが来るって言ったから?


なんて、一人で悶々としていると、突然、嫌な匂いがした。


「うわ、マイふぁみりーがコテンパンに殺られちゃってんのね」


そんな陽気な、ふと上から降ってきた声に、ギルは眉間にシワを寄せる。


急に現れた彼を見ると、左目の両端の下と右の口元に引っ掻き傷のような黒いタトゥーがあった。


「っせーな。何しに来たんだよキール」


ギルが気怠そうに言い、私はフォシャールの柄に手をかける。


「あ、大丈夫だいじょーぶ。コイツLunaん中で一番弱いやつだから、カスいカスい。金魚のフンと言っても過言じゃねえ」


ギルは性格がな、と付け足し軽く言い、暗に力むなと言った。


「否定はしないけど、それひどくない?」


「………………」


ギロンとギルが目で、五月蝿いと訴え、彼はどこからかナイフを取りだして構えた。


…イラついたんかな。


なんとなく、そう思った。


「やだなぁ…そんな構えんなよ」


キールはそんなギルの行動に驚こうともせず、ヘラヘラしながら両手を上げて降参のアピールをする。


「俺、別件で動いてっからお前らと戦う気分じゃねーの」


彼はそう言い、話がしたいだけだと付け足した。


―—別件?


私はその言葉に眉根を寄せた。


もしかして、初めてチヤクとあった時に彼女が言っていた、兄妹を探すことだろうか。


ニヤリと不敵に口角を上げるキールに鳥肌が立った。