「…まぁ、あれだ。さっきの話に首を突っ込まなかってくれたのは助かった」
黙る私にジルがキリッとした表情を見せる。
「いつか、全部教えてくださいよ」
私は背を向けて、ポツリと、本音を漏らしてみる。
「……全部…」
それが聞こえたのか、ジルが復唱した。
…あの夜にシロさんが、時間がないって言った意味も、ジルが言ったルール破りって意味も。
なんでLunaと真っ向から衝突せずに、いつも遊んでばかりいるのかも。
チラリとジルの方を見ると、彼はそれを全て悟ったように真剣な顔をして、分かったとだけ言う。
「あぁぁああアルに会いてえぇ…」
そして話を逸らすように嘆いた。
……きっと彼らがそのことについて話さないのは、知られたくないことだから。
私は自分にそう言い聞かせて、その好奇心を心の奥底に追いやった。
〝その好奇心は、その身をも危うくさせる〟
前にフィーネさんが言った、その言葉と共に。
そして私とジルは一足先にソンジュさん達が待つAliceに戻ったのだった。


