天を衝く槍



「俺らはこのまま戻る」


歩きながらジルがそう言う。


「で、ヨースケは明後日くらいに戻るってさ」


私はフツーに言うジルの顔をじっと見た。


なんか、さっきと違った目をしているような気がした。


「…コウガ?」


じっと見ている私に彼は訝しげに私を見る。


「仲直り、できた?」


「……え…」


まさか私の口からそんな言葉が出て来るとは…っ。


まさにそんなことを言いたげな表情だ。


「まーな」


そしてすぐにふわりと笑ってジルは私を安心させた。


「…コウガってエライよな」


そして彼はつられて笑う私に意味不明なことを言った。


「……は?」


突然の、しかも真顔で私が偉いなどとよく分からぬことを言うジルに、私は素っ頓狂な声を漏らす。


「いや、女ってさ、なんか……気になったことすぐ聞くから」


「……え、それってアルに対しての不満ですか」


目をパチパチさせて私は棒読みで聞く。


いや、これは故意にやったわけではない。


「違う違う!!!断じて違う!!!」


「へー」


「あ、お前信じてないだろ、その目!!!」


「信じてますよ、ほんの少し」


「嘘つけぇ!!!つか、お前たまに嫌なキャラになるよな!!!」


「気のせいですよ。それより浮気でもしたんですか」


「それも違う!!!」


「病院ではお静かに」


「いや違うだろ!!!いや、合ってるけど!!!」


「……………………」


なんか面倒臭くなってきた。