天を衝く槍


*****


誰かが私を呼ぶ声がして、目を開けると、ヨースケがそこにいた。


―—古い、記憶だ


私はさっきの夢のことを思い出して、目尻に溜まっていた涙を拭いた。


「コウガ、」


彼が私の目に映っている角度からして、私はどうやらヨースケのベットの縁で寝てしまったようだ。


「こんなとこで寝たら風邪ひくで?」


彼はそう言い、クスリと口角を上げた。


「あ…」


私が立ち上がると、パサリと音を立てて、Aliceの制服が落ちた。


どうやらヨースケが私に掛けてくれていたようだ。


アルたちや私のと違って黒が少なく、赤が多いヨースケの制服。


ほんのり、石鹸の匂いがした。


「もう平気なの?」


その制服をヨースケに帰してから、私は言った。


「まぁ…疲れが溜まっとっただけやしな、俺は」


彼はバツが悪そうに窓の方を向き、悲しそうな顔をする。


「…………………」


「…………………」


「…………………」


「…………………」


逃げ出したくなるような沈黙が私達を包みこんだ。


「…………………」


〝疲れが溜まっとっただけやしな、俺は〟


さっきのヨースケの言葉がリピートされる。


俺は平気だと彼は言った。


じゃぁ、シロさんは?