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誰かが私を呼ぶ声がして、目を開けると、ヨースケがそこにいた。
―—古い、記憶だ
私はさっきの夢のことを思い出して、目尻に溜まっていた涙を拭いた。
「コウガ、」
彼が私の目に映っている角度からして、私はどうやらヨースケのベットの縁で寝てしまったようだ。
「こんなとこで寝たら風邪ひくで?」
彼はそう言い、クスリと口角を上げた。
「あ…」
私が立ち上がると、パサリと音を立てて、Aliceの制服が落ちた。
どうやらヨースケが私に掛けてくれていたようだ。
アルたちや私のと違って黒が少なく、赤が多いヨースケの制服。
ほんのり、石鹸の匂いがした。
「もう平気なの?」
その制服をヨースケに帰してから、私は言った。
「まぁ…疲れが溜まっとっただけやしな、俺は」
彼はバツが悪そうに窓の方を向き、悲しそうな顔をする。
「…………………」
「…………………」
「…………………」
「…………………」
逃げ出したくなるような沈黙が私達を包みこんだ。
「…………………」
〝疲れが溜まっとっただけやしな、俺は〟
さっきのヨースケの言葉がリピートされる。
俺は平気だと彼は言った。
じゃぁ、シロさんは?


