―—―—刹那
空を割ったような音がした。
「何やってんのよ、キール」
呆れている女の声が聞こえ、彼の息を飲むような音も聞こえた。
「…チヤク、お前なんでここに……」
目いっぱい開いて驚いているジルが、自分の目の前に立ってキールと呼ばれた男が持っていた鎌を手で受け止めている彼女に言った。
キールは茫然としていて、まるで悪いことをしているのがバレた子供のような顔をする。
そして彼女はジルの問いに答えず、キールを殴り飛ばした。
殴られたキールは吹っ飛び、態勢を変えることなく、ダァンっと何処かにぶち当たったってしまった。
「…うわ……容赦ねぇ…」
「…………………」
ジルが若干引いたような表情で言い、同じように私はそれを見ていた。
「悪かったわね、勝手な真似して」
彼女はこちらに向き直って、それから謝罪した。
チヤクがそんなことをするとは思ってなかったから正直驚いた。
「これでお相子か」
ジルがヨースケを担ぎながら言う。
「そうね」
ジルを尻目に見てチヤクは淡々とそう言い、どこかへ消えてしまった。
「病院に急ぐぞ」
ヨースケを担いだジルは私にそう言い、地面を蹴った。


