―—そんな
私は触れている彼の手をぎゅっと握って、もう一度確かめる。
だけど何度やってみても結果は同じで、変わらず彼の手は冷たい。
「……ッ…」
そんな短時間でこんなに冷たくなるもんなの?
混乱したまま、私はそのことを伝えようと二人の方を見る。
だけど私の目に入ったのは、ヨースケが血だらけで倒れてて、ジルが真っ白な男と苦戦を強いられている光景だった。
「…え……」
嘘でしょ。
ジルがあんなに押されているなんて。
広がる景色が信じられない。
そしてこの先の悪い事まで予想してしまう。
このままジルもシロさんも私もあの男に殺されて終わりだ。
私はゴクリと固唾を飲む。
そうなる前に私が、どうにかしないと。
だけどシロさんは?
私は背負っている彼を見る。
この場で一番ヤバイのは恐らく彼だ。
だけど、私がシロさんを病院に連れて行く間にジルが殺られたらどうしよう。
「コウガ!!!」
私が逡巡していると、雲を裂くような鋭いジルの声が耳に届いた。
「早く連れてけ!」
彼は私が何のことでオロオロしているのかとか、そんなことはお見通しだというように私に怒鳴る。
「うっせーんだよ、この戦士もどきが」
いつの間にか、ジルの前に現れた男はそう言って彼に鎌を振りかざす。
「ジル!!!」
彼は目の前の鎌の影に気づいて、私の悲鳴に近い叫びが響いた。


