それから2日後。
私はジルと任務に行くことになった。
今回の場所は一昨日ヨースケ達が行った場所に近いらしく、船で行く。
人間を捨てた、大きな力と治癒力はあるけど流石に大きな海を渡りきる力はないらしい。
「そんなに強かったのか?」
船が出航して、海風に当たりながらぼんやりしていると、ジルが真剣な顔をして言った。
彼が言っているのはこの前…いや前に私がウサギに肩を噛まれた時のことを言っているのだろう。
「いや、そんなにっていうか…私の疲労がピークに達していたのかもしれないし、よく分かんないんですけど、」
…てか、なんで今更こんな話を切りだしてくるんだろ。
私が噛まれて復活するまでに、ギルやフィーネさんやジルでご飯食べる時に話したのに。
「スピードが上がってました。あと、ウサギの攻撃が確実に当たる確率が上がった…ような……」
「…………………」
彼は腕を組んで私の話を聞いていた。
「まぁ…気の所為かもしんないけど」
ふわっと潮が香った。
「ツァンジーはウサギを改良したと言ってたんだろ?」
彼の言葉に私は頷く。
「……改良…ねぇ」
ジルが遠くを見た。
私もつられてみると、そこに島々はなく、あるのは広がる地平線のみ。
「さんきゅ、な」
そして彼はそう言って中へ入って行った。
私はもう少しここで海風に当たっていた。


