そしてその後はギルが来ので久しぶりに少し手合せした。
それからたまには見送りに行こうということになって、エレベーターで向かっていると珍しくソンジュさんとバッタリ会った。
そこで彼も一緒に見送るということになったのだ。
「いってらっしゃい」
私の隣で、地下水路に船を停めてある場所に着いたソンジュさんが言った。
「お、今日ソンジュさんまで見送りしてくれるんかぁ…こりゃ明日は槍が降るわ~」
船に乗る前、彼がいることに気づいたヨースケがおどけたように言う。
その言葉を聞いたシロさんが目を伏せて苦笑した。
「………………」
「……君たちに限ってないとは思うけど、」
少し間をおいて、ソンジュさんが悲しそうな瞳をヨースケ達に向ける。
「万が一、」
「生きて帰ればいい話やろ?」
そんな彼の言葉を遮って、何のことか察したヨースケがヘラヘラするのを止めた。
ヨースケは細めていた目をスッと開けて、鋭い眼光を放つ。
それを見て私は背筋が凍った。
なんか、恐い。
「それはそうだけど、」
でもソンジュさんはヨースケの言葉を受け止めず、心配そうな表情を崩さない。
「分かってる」
シロさんがソンジュを尻目に見て、苛ついたような声音で言った。
「…っ……」
何か決意のこもったシロさんの目に、ソンジュさんが言葉に詰まる。
「まぁまぁ、そんなしょげた顔、ソンジュさんには似合わへんし。それよりいっつもの変人は何処行ったん?」
ヨースケはソンジュさんが暇さえあれば意味不明なロボを作るという変人行為をつついた。
「よし、ヨースケには帰ってきたら新しく開発した爪が早く伸びるという薬を――」
「えぇぇえ!!!ロボやないんかい!!!いらんし、そんな変なクスリ!!!じゃぁ、行ってくんな!!!」
ヨースケが慌てて言い、シロさんの腕を引っ張ってドタドタと船に乗り込んでしまった。
「………………」
私はそんなやり取りをギルと見ていた。


