―—月光歴217年2月10日
年が明けても、あれから色んなものを食べても、私の胸の痛みの理由は分からないままだった。
でも、最近痛くなることはないんだけどね。
そんなことは置いておいて、私は今、シロさんと試合をしている。
Aliceの剣豪と呼ばれる彼に試合を申し込まれたのだ。
とうとうここまで上達したのだ。
私は彼に教わったことを彼にそのまま叩きつける。
「弱い」
だけど、シロさんはそれをサラリと躱した。
そして彼の声と重い斬撃と共に、私が持っていた木刀が弾かれる。
「あっ」
そしてそれはトレーニングルームの端の方に転がって行った。
急いで取りに行こうとすると、木刀の剣先が私の首に当たった感触がして、私は動きを止める。
「今日はここまで、これから任務だから」
彼はそう言って私に木刀を持たせた。
「…………………」
片づけておけ、ということだろうか。
「だいぶ上達したんじゃない」
シロさんはそう言って踵を返した。
「…………………」
「…………………」
「…………………」
「やったー!!!」
珍しく誰もいないこのトレーニングルームで、私の声が響いた。


