「俺らさぁ、金ないわけ。ちょっと貸してくんねえ?」
男はそう言って私の胸ぐらを掴んで立たせる。
うわ、これがカツアゲとかいうヤツか。
普通ならビビるところなんだろう。
だけど、何故か分からないけど私はそこまでこの人たちが怖いとは思わなかった。
何でだろう。
ウサギとこの人たちを比べてるからかな。
全く怖くない。
というより、私お金持ってない。
「おいボウズ、聞いてんのか」
さっきまでヘラヘラしていた男がガン飛ばして思い切り眉根寄せる。
ボーっとしている私をビビらせるためか、そんなことをした。
「あの、私お金持ってないし、それ全然怖くないですよ。放してください」
そろそろ眠たくなってきたから私はそう言い、ホテルの方に戻ろうと試みる。
だけど、私のその言葉が気に入らなかったらしく、ガッと私を殴った。
「っ」
「金寄こせって言ってんだろッ!」
私は身を投げ出され、ドボンと後ろにある噴水の中へ落ちる。
水が冷たい。
そこで私の眠気は吹き飛び、代わりに私の奥底で赤い炎が湧き上がる。
男と勘違いされた上に、殴られた。
私は無言で立ち上がり、息を吸って吐いて、無言のまま再びヘラヘラし始めた男に一発お見舞いしたのたのだった。


