「……で、どうなの?」
アルが先程言っていた本題を聞く。
どうやらさっきのことがあってもそのことだけは覚えているようだ。
「へ?」
私はド間抜けな声を出して、ワザとらしく瞬きを数回する。
「好きなんだろ?」
「え」
「ま、頑張んなよ。あたしは応援してるから」
私は否定も肯定も出来ずに固まり、その反応にアルは何かを確認したのか、私の肩を叩いて去ろうとした。
「や、ちょちょ、待ってくださいよ!!!」
去ろうとするアルの手を掴んで彼女を引きとめる。
「あれ?違った?」
アルは私がそうするのを分かっていたようで、余裕そうに笑い、言った。
「の、ノーコメントで…」
なんてったってまず私が分からないのだ。
だから教えてほしい。
だけど聞きたくはない。
あーもーなんなんだこの矛盾。
「ふーん?」
彼女は私にものすっごい余裕そうな笑みを向ける。
「………………」
そんな顔をされると私が照れるのは何故だ。
体温が上がって、心臓がバクバクいう。
頭の上に疑問符があって、顔を真っ赤にして混乱している私を見たアルは、またニヤリとほくそ笑んだ。
私はふいっとそっぽを向く。
……大体、誰だ。
私がシロさんに恋してるとか言い出したの。
彼は大事な仲間で、剣を教えてくれている師匠だ。
そんな彼を私が慕う?
そんなハズはない。
大体、私は彼から名前で呼ばれていないし、本当にご尤もで冗談に聞こえない程ダメだしされるし。
……というか、彼はアルのことが好きなんだから、仮に私がシロさんのことが好きだとしても叶わないではないか。
…………………。
って、ナニ自分で言って凹んでんだ私。
「んじゃ、あたしジルんとこに行かないと」
悶々としている私を尻目に見て、伸びをした。
「また夜這いされちゃ困るしね」
彼女は困ったように言い、また後でと、私に背を向けて歩き出した。
………………。
………………。
………………。
夜這い!!?


