天を衝く槍



「…………………」


私が少し息をついて改めて彼女を見ても、彼女はまだあの変な顔をしていた。


「…………………」


それはギルも思ってたようで、彼の目が残念な人を見るような目になる。


「で?」


そんな茶番に付き合いきれなくなったのか、シロさん腕を組んで変な顔をしている彼女に言った。


それを聞いた彼女はパッと、変な顔をするのをやめて、口を開いた。


「あたしらが見つけてその人があたしらの血を飲んでも、Lunaになるかどうか分かんないし」


「血を飲むだぁ?」


ラガーが怪訝そうな顔をした。


「そう。例えば、料理の中にあたしらの血を入れておく、とか。その人の傷口にあたしらの血を滴らす、とか」


うわぁ…。


私以外にも、その発言を聞いてギル達はドン引きしていた。


私はゴクリと生唾を飲む。


そして、Lunaが出した食事に手をつけまいと思ったのは、言うまでもないや。


「まぁ……方法はいくつかあるけど、」


「要は、お前らルーナの血がその人の体内に入ればいいってことか」


ラガーがそう言うと、彼女は肯定するように余裕そうな笑みを浮かべていた。


「して、ルーナになり得る人をどう見分けるんです?」


ウルノが口を開いた。


「癖よ」


「クセ?」


ラガーが復唱する。


「クセって、あのクセ?」


ギルが身ぶり手振りで、癖を表現している。


「何やってんの、あんた」


チヤクは冷めた目をして、ギルに言った。


変な顔していた彼女でも、ギルの行動はどうらや全く分からないようだ。


「………………」


彼女にそんなことを言われたのが相当ショックなのか、ギルはガクンと項垂れてる。


それを慰めるようにウルノが彼の肩をポン、と叩いた。