愛しい声


*花音side*

 「 失礼しました 」


 職員室を出る。
 ふと、千葉くんのことを思い出した。

 あのときは本当に恥ずかしくて…
 むずむずして…
 徹夜がばれるなんて(´・ω・`)
 しかも字がきたないことも
 ばれちゃって…。


 「 はぁ… 」


 教室に入る。


 「 和田さん。間に合った? 」


 席に着くと、耳に入ってきた
 澄んだ声。


 「 う、うんっ 」
 「 ならよかった! 」


 引き止めちゃってごめんね?と
 謝る千葉くん。


 「 大丈夫… 」


 席のまわりにはほかの女子。
 視線が怖い。



     *



 昼休み。
 

 「 花音、一緒に食べよ~? 」


 そういってお弁当を持ちながら
 私のところにくるひなの。


 「 うん♪ 」


 近くにあった机をくっつけ、
 向かい合う。

 隣の千葉くんは席を外していた。




     *



 「 花音には話すね? 」


 なんだろう…?
 玉子焼きを口に放り込む。


 「 私…千葉くんが好きなのっ 」


 ひなのは千葉くんのこと好きだったんだ!
 でもなんで私に…?


 「 応援、してくてるよね? 」


 ひなのの目つきが変わった気がした。
 でも、にっこり笑っている。
 気のせいか。


 「 もちろん♪ がんばって! 」
 「 ありがとう 」


 そのあとも恋の話やらで
 盛り上がった。


 この約束が、運命を変えるものとは
 知るよしもない。