失礼ね――って文句のひとつもつけてやろうと思ったけど、葵の表情は真剣っぽい。
引っかかる部分もあるんだけど、気にしてくれているのは本音みたいで。
ちょっとだけ照れくさくなって、小さく、ご忠告どうも、って呟いた。
「あ、ほら、見えてきた。あれが中等部と女子高等部の校門な。って、入学式の日も見てるっけか」
「んー。あんまり記憶にないんだけどね」
「男子高等部の入り口はぐるっと周りこんで敷地の反対側な」
「……あ、それでかぁ。さっきから、中学生の男の子しか見かけないなって思ってた」
「中学と高校女子、中学と高校男子のあいだはわりと交流あるんだ。先生が共通だったり、行事とかで。けど、女子高等部と男子高等部は年に――」
引っかかる部分もあるんだけど、気にしてくれているのは本音みたいで。
ちょっとだけ照れくさくなって、小さく、ご忠告どうも、って呟いた。
「あ、ほら、見えてきた。あれが中等部と女子高等部の校門な。って、入学式の日も見てるっけか」
「んー。あんまり記憶にないんだけどね」
「男子高等部の入り口はぐるっと周りこんで敷地の反対側な」
「……あ、それでかぁ。さっきから、中学生の男の子しか見かけないなって思ってた」
「中学と高校女子、中学と高校男子のあいだはわりと交流あるんだ。先生が共通だったり、行事とかで。けど、女子高等部と男子高等部は年に――」
