私は早苗先輩も好きだ。ブラスバンド部に入って、まだ何もわからない私に一番に優しく接してくれた先輩だった。 だからこそ、自身の心に芽生えた淡い恋心を、隠し通す決意をした。 もちろん、この気持ちを露にしたところで、早苗先輩に敵うはずもないのだが。 部活で森先輩と関われるだけで、仲良くしてもらえるだけで、私は十分幸せだった。