森先輩と早苗先輩は、私達一年生が入学する前から付き合っていたらしい。 自他ともに認めるおしどりカップルで、高校を卒業したら結婚するのだと、森先輩にノロケられたこともある。 背が高い森先輩が、背の低い早苗先輩を守るように歩く姿は、悔しいけれど、お似合いだと言わざるを得ない。 先輩達の姿が昇降口の方へ消えたのを確認した私は、眼下の生徒達の観察を終えた。 椅子に前向きに座り直すと、自然と大きなため息がこぼれた。