静かなこの部屋では、それらの音さえも不快に響いているように感じられる。 「結衣ちゃんも、シャワーしなよ」 「うん」 パンツ姿で頭を拭きながら出てきた男性、俊さんを横目に、私はベッドから出た。 すれ違う瞬間、まだ汗の香りが仄かに残る左手が、私の頭に触れる。 その手を静かに払いのけ、私はシャワー室へ入った。