朱里の言葉の意味を理解した俺は、全身の血液が顔に集まるような感覚を覚えた。 ただ、頷くことしか出来ない。 まだ何も変わらぬ関係ではあるが、何かが始まる予感を感じさせるには、十分すぎる言葉だった。 朱里の穏やかな表情には、既に迷いがないように思えたのは、きっと俺の自惚れではないだろう。 end.