意地悪く高鳴る心臓を押さえながら、私は先輩を思った。 こんなに好きなのに、こんなに好きだから……? 私は先輩を拒絶した。先輩に求められることを、拒絶した。 私を見つめる先輩の瞳には、私は写っていなかった。 先輩の見る私の影には、違う女性の姿があった。 先輩はまだ、早苗先輩のことが、好きなんだ……。