「……いやっ!」 心とは裏腹に、私はそう短く叫んでいた。言葉だけではなく、身体も。無意識に私は先輩を拒絶し、突き飛ばしていた。 先輩の驚いた顔が、また気まずい表情に戻る。 「失礼しますっ!」 短く告げると、私はそのまま逃げるように、部室を出た。 心臓はいつもより忙しなく働いていた。