私を抱き締めていた腕を緩め、私を見つめる瞳。温もりの余韻に浸る暇もなく、想像もしていなかった言葉を耳にした。 咄嗟に聞き返す間もなく、先輩の顔が近付いてくる。 あんなに憧れていた先輩が、今、こんなに近くに居る。このまま目を閉じてしまっても良いのかな? そう、このまま目を閉じても、誰も私を責めない……。 私は先輩が好き。その先輩も、私を求めてくれているんだ。