……泣いてる……? 私は思わず先輩のもとに駆け寄った。先輩は気まずそうな顔で私を見て、すぐに視線を逸らした。 見なかったことにして、部室を出た方が良かったのかも知れない。でも私は、見なかったふりなんて出来なかった。 「どうしたんですか? ……どこか体調悪いですか?」 わかっていた。体調が悪くてこんなところに居るわけじゃないことくらい。 私の言葉に少しだけ笑みをこぼすと、先輩はため息をついてから口を開いた。