ガラガラッ

先生がドアを開け、みんなは
静まり返る。

「…今日は転校生を紹介する。」

教壇の上に乗り、先生はそう言って
「どうぞッ」とドアに向かって言う。

ガラガラッ

『……鈴猫 姫と申します。』

転校生は……って、鈴猫じゃん!!
なんでここに!!!?

「可ッ愛い~!!!」

なん人かの男子が声を揃えて
そう言った。

『えぇ…と、ありがとうございます?』

「よし。それじゃ、1時限目は
 質問タイムだ。」

先生がそう言うと
みんな(特に男子が)手をあげた。

「…松村!」

「はぁい。好きなタイプは?」

『小悪魔系の子…かな?』

腹黒いってことか?

「吉村!」

「あいよ。…好きなマークは?」

『白と黒の猫。』

……なんじゃそりゃ?

「青木!」

「ん…。得意なモンは?」

『……喧嘩?』

出来んのかよ!!!?

『なんなら……誰か。相手して
 くれませんか?』

「………。」

誰もいねぇだ……

「いいよ!」

うぉいッ!!

『宜しくお願いします。』

鈴猫はそう言って微笑む。


俺達は椅子や机を端に寄せ
傍観していた。


『手加減は……。』

「しねぇよ?」

『よかった…!』

鈴猫はそう言って
黒革の手袋をはめた。

『どうぞ…?』

「それじゃ、お言葉に甘えて…!」

坂井はそう言って
顔面めがけて、拳を飛ばす。

坂井は学年で1番強いと
言われる奴だ。

勝てるわけないさ。

『……遅い。』

そう言って
鈴猫は坂井の拳をかわす。

そして、蹴りを入れる。
よろけた坂井の後ろに回り、首の
あたりを鈴猫はチョップした。

バタッ

……いったいなにが起こった?

『…弱かったですね?』

「すっげぇ…。」

『拳の重さは充分ありましたが
 スピードが遅い。もっと回転を
 浸ければはやくなると思います。

 …まぁ、あとはご自分が決めること
 ですが、もっと技を磨きたいと
 言うならば、その様に無様に
 拳を振り回すだけではいけませんね。』

そのあと、色々と坂井に指摘を
言い続けた鈴猫だった。





鈴猫は学年1位の大男を倒したことが
キッカケで人気は更にアップした。