昇ちゃんの家は、普通の家族が住むアパートの1室で、近所には団地や住宅地が多い。だからスーパーまでは、かなり近い。
遊んでいて、今から家に帰るらしい小学生と何人か擦れ違ううちに、あたし達はスーパーに着いてしまった。
「えっと、キュウリと麺は買ったでしょ。あと、紅生姜かぁ」
ぶつぶつ呟きながら、紅生姜の売り場を目で探す。すると、昇ちゃんは何も言わずに歩き出した。あたしは慌てて昇ちゃんについていく。
昇ちゃんは紅生姜の売っている場所で、足を止めた。このスーパーの事は昇ちゃんの方がよく知ってるから、すぐに分かったのだろう。
「あ、あった! これで揃ったかな?」
紅生姜の袋を1つ手に取って、買い物籠に入れた。
「あ」
それから、ふと、昇ちゃんの台所にはまだ急須があった事を思い出した。
「ね、麦茶も買っとく?」
「おー」
「いらない?」
「おー」
……どっちだよ。
なんて心の中でツッコミながらも、あたしは籠に麦茶のペットボトルを入れた。
「あ! そういえば昇ちゃん、お酢あったっけ?」
昇ちゃんは視線を宙に泳がせた。珍しく、考えているのだろう。
「……おー」
なんだ、その間は。
あたしは昇ちゃんに悪いと思いながらも、籠にお酢の瓶を入れた。確か、お酢は無かったはずだから。
「よし! 買い物完了!」
あたしがそう言うと、昇ちゃんは不機嫌そうな顔でスタスタとレジの方へ向かった。
遊んでいて、今から家に帰るらしい小学生と何人か擦れ違ううちに、あたし達はスーパーに着いてしまった。
「えっと、キュウリと麺は買ったでしょ。あと、紅生姜かぁ」
ぶつぶつ呟きながら、紅生姜の売り場を目で探す。すると、昇ちゃんは何も言わずに歩き出した。あたしは慌てて昇ちゃんについていく。
昇ちゃんは紅生姜の売っている場所で、足を止めた。このスーパーの事は昇ちゃんの方がよく知ってるから、すぐに分かったのだろう。
「あ、あった! これで揃ったかな?」
紅生姜の袋を1つ手に取って、買い物籠に入れた。
「あ」
それから、ふと、昇ちゃんの台所にはまだ急須があった事を思い出した。
「ね、麦茶も買っとく?」
「おー」
「いらない?」
「おー」
……どっちだよ。
なんて心の中でツッコミながらも、あたしは籠に麦茶のペットボトルを入れた。
「あ! そういえば昇ちゃん、お酢あったっけ?」
昇ちゃんは視線を宙に泳がせた。珍しく、考えているのだろう。
「……おー」
なんだ、その間は。
あたしは昇ちゃんに悪いと思いながらも、籠にお酢の瓶を入れた。確か、お酢は無かったはずだから。
「よし! 買い物完了!」
あたしがそう言うと、昇ちゃんは不機嫌そうな顔でスタスタとレジの方へ向かった。


