ねぇ、雅人。


私は雅人が居ない世界なんて無意味なんだよ?




おばさんとおじさんが必死に雅人を呼ぶ声が聞こえてきた。私は恐くて恐くて廊下で立ち尽くしていた。そして歌った。雅人が一番好きだと言った曲を…無意識に涙を溢しながら。


「芹名ちゃん!」
「…おばさん」
「早く会ってあげて、お願いします」
「おばさん、頭上げて下さい」
泣きながら懇願するように頭を下げるおばさんに私は頭を上げてもらい、一度頷くと病室に入った。


ピッピッと音が部屋中に煩いと感じるくらい響き酸素マスクをし配線が沢山。
「…雅人、分かる?遅くなってごめんね?」
耳元で囁いた。するとうっすら瞼を開き…
「……………」
「え?何?」
「あ、いし…てる」



ピーーーーー