事務所に着くと鞄の中から歌詞の書いたノートを取り出してマネージャーと吉野さんを探した。
「SERINA、こっちこっち」
フラフラしていた私の右側のソファーに座っていたマネージャーの声でマネージャーを見付けた。
「あれ?今日吉野さんは?」
「ああ、今日は別の子の方に行ってるけど」
「えー!」
「何だよ。マネージャーである俺だけでは不満か?」
「……別に」
「何だその間は」
吉野さんにも見て欲しかったんだけどな、と思いつつマネージャーの向かい側に座ってノートを見せた。マネージャーは真剣な顔で私の書いた歌詞を見ている。
「SERINA、曲の入ったCD持ってきたか?」
「ああ、はい」
私は吉野さんに貰ったCDを鞄の中から出してマネージャーに渡した。すると、突然立ち上がりCDと歌詞の書いてあったノートを持って腕を引っ張られながらスタジオへと連れていかれた。気に入らなかったのだろうか…。
