君だけに〜




「いいえ。申し訳ありませんでした。どなたが入ってきたのかなと思いましたら、とてもお綺麗だったのでついつい見つめてしまいました。」

ニコッ

完璧だ。これでめんどくさいことにもならない



俺はそう思い気を抜いていた。

しかし女に、おもいがけないことを言われる


「気持ち悪い。何その作り笑いに思ってもない言葉。吐き気がする」


そう冷たくいい放つと女は眉をひそめた。


はぁ

何だよこの女。

俺はイラッとしたが気を取り直して王子様風をよそおう。

「何をいってるんですか?この言葉は本心ですよ?先ほどの態度がおきに召さなかったのでしたら、本当にすみませんでした」


俺は、今度は子犬のような目でうったえかけた。