「マジかよ……」







更に俺を驚かせたこと。






「笑ってるよ……」





そう。







あの無表情で陰気な雰囲気じゃない。
ちゃんと女の子達に溶け込んで、無邪気にふざけ合ながら楽しそうに笑っていた。






「なぁんだ……」

「えっ?何?」






隣でキョトンとする真崎。







「なんも心配いらねぇみたい」







スタイルを戻しても、普通に友達作れてんじゃん。
優の改造計画、失敗ではなかったみたいだな。



いつの間にか覚えた豊かな感情。
これが本当の優だったんだ。




本当ならもっと前から出来てた筈の、普通の格好して、友達作って、普通に笑って………




遅咲きながら自ら頑張って、当たり前の日常を手に入れた優を沢山褒めてやりたい気分。







「あ。あそこ歩いてんのあん時のブスじゃね?」






優を指差す真崎。
俺は優を眺めながら、さらりと答える。





「あれな。俺の彼女」

「……でえっ!?」

「そして婚約者。可愛いだろ?」

「こっ……でえぇぇぇっ!?」






楽しい反応。
真崎の言ってる激カワの娘が、実はあそこにいる優だってわかったら今度はコイツどんな反応するだろうか………






ひそかにそんな楽しい事を考えながら、窓から見える楽しそうな優の姿に、いつまでも心奪われる俺であった―――――


【END】