「自分に無理して可愛くしなくったって良ちゃんが側に居てくれる……私はそれだけで充分幸福」

「だってそれじゃあ……」


「良ちゃんは?私が可愛いくしてないと側に居たくない?恥ずかしくて一緒に歩けない?」




逆に問い掛けられて言葉に詰まる。


俺……優がイケてないって言われるのが悔しく無理させて。
そっか、どっちでもいいんだ。どっちにしたって俺の可愛い優には違いなかった。



「地味でも陰気でも、本当の私を良ちゃんだけが見てくれればそれでいいと思っているから。それでは……ダメ?」




瓶底眼鏡で表情は掴みにくい。
でも、俺にはそれがまたたまんなく可愛く見えて………





カタン





椅子から立ち上がると、優を自分の胸に引き寄せる。


腕を掴み、優の手の中のお盆を取り上げるとテーブルの上においた。





「うん、ダメじゃない。それでいい……」





腕のなかで見上げる優から眼鏡を取り上げる。
綺麗な瞳……





「こんな可愛い顔、他の野郎共に見せてたまるか。学校ではちゃんと隠しとけ……」




いてもたってもいられない。可愛くて愛しくて……





「もうマジ大好き」






ぎゅっと抱きしめて唇を重ねる。
チュッとしては唇を離して目と目が合う。
眼鏡ないから多分見えてない。
でも恥ずかしそうに細められる瞳がたまんない。


何度となく繰り返されるキスが、段々と長くなり甘くなる。
それに夢中になっててふと気づくと、いつのまにか、長めのキスのコツも掴んだ様子。

優の頬は紅潮して目が潤んでる。激カワ!



それが俺のスイッチを押してしまう……もうダメ。
我慢できない。




まだ朝なのに…今から学校なのに……ごめんなさい。








Jr.暴走中―――