「!!」
ちょうど一年が校庭で体育をしてるところ。
2クラス合同でやるんだけど……
なんだあれ!
ワラワラと一部に群がってる野郎共。
そしてその中心にいるの、優じゃねぇか!
遠目に見てもわかるくらい可愛い優。
俺と別れてからずっとあんななのか?
ここからじゃ表情までわかんない。当たり前だけど、喋ってる内容も聞こえない。
優が変な輩にたぶらかされないか心配で不安で……いてもたってもいられないっつーの。
「モテモテだね。良介?あ、おいどこに……」
おもむろに鞄を掴んだ俺を見てビックリしてる直行。
「午後ふける」
そういい残すと教室から出た。
冗談じゃない。冗談じゃないぞおい!なに今更囲ってんだよ。
優は俺のだ。
本当は可愛いのだってずっと知ってた。
後から出てきた奴らに持ってかれてたまるか!
苛立つ気持ちを押さえて向かった先は…………屋上。
本当なら、生徒は立入禁止なんだけど生徒会に強力なコネがあるから鍵を借りれる。(たまに利用)
今日は優と会う為に、開けといた。
重い鉄の戸を開けると、眩しい光に一瞬目が眩む。
暖かい風に髪をさらわれながらコンクリート張りの広い床の真ん中に、鞄を枕にして寝転ぶ。
「はぁっ……」
ホントはすぐにでも校庭に行って野郎共から優を奪還したい。
抱きしめて俺のもんなんだってわかるまでわからせて……。
でもやっぱり恋愛百戦練磨のレッテルが、俺の中で優に余裕ないとこは見せるなとブレーキをかける。
じゃあせめて見えないようにと、一足早く約束してる屋上にやってきたって訳。
「………ちくしょう」
こんなはずじゃなかった。


