「じゃ行くか~」

「ううっ…」

「何?」

「私やっぱり…いつもの制服でいいです!」

「駄目~。時間切れ」





軽く突き放すと、嫌々する優の手をがっちり掴んだまま強引に外に連れ出した。



‐見てろよ、馬鹿にしたあいつらに良いもん見せてやる‐
















‐お~。見てる見てる♪‐




案の定、学校に近付くにつれて、俺らは注目の的。
俺の隣を歩いてるのは誰だ?ってあちこちから聞こえてくる。
もちろんそれが優だとは誰一人として気付いてない。






「なんか……私、見られてない?」




さすがに気付いて動揺しだした優。
目立つ事に慣れてないから無理もないけど……




「平気平気♪可愛いから見てんだから」

「でも………」




「良介!」





急に声をかけられて振り向くと、遠くのほうからかけてくる人影……直行か。







「おはよ。調子どう?あんだけやられたら…って、あれ?」




不思議そうに優を見てる。





「この子……」

「…あぁ、あの時の方ですね。先日は助けていただいてありがとうございました」





優は直行の声で誰だか分かったみたい。
深々と頭を下げてる。

こら、慣れない相手だからか真顔だぞ?




「優だよ。変わったろ」

「ええっ?なんか見違えた………よ」





不意に直行が言葉に詰まる。

なんだ?と思って見た俺も…絶句。





だって…真顔の優に見つめられた直行は真っ赤だったから。





「おいこら、直!?」






慌てて背中に優を隠す。