「……ごめんなさい」




耳の傍で聞こえる優の小さい声。

たまらなくゾクゾクする。
背中に感じる優の体温。
誘ってんの?なぁ誘ってんじゃねーの、それ。


思わず身体を捻って頭を捕まえると、優の唇を奪う。




「んっ……」





抵抗してるつもりなのか、肩に置かれた手が必死に押し返そうとするけど……無駄無駄。






「んん…っ」






みるみる優の息遣いが荒くなる。
それもそのはず、コイツ未だキスする時は息止めてるみたい(呼吸の仕方がわかりません!て怒ってたっけ)。
長くなればなる程、辛くなるのはわかってんだけど……俺は離したくない。


だって優の唇、超気持ちいい。柔らかでフワフワで……今まで数えらんないくらいキスしてきたけど、こんなん初めて。
やっぱ気持ちが通い合った相手とは違うもんなんだな。





そんなことをどのくらい考えてたか……急に優の身体がガクンと崩れ落ちる。




「……っとぉ?」





慌てて、片腕で優の身体を支えて椅子から立ち上がる。




「…平気?」

「……ん」

「あ?」

「平気………じゃ……ありませ…ん」





超肩で息しながら、言葉も途切れ途切れ。
そんなんも皆俺のせいなんだけど、もぅ無茶苦茶可愛いくて。


両の手でぎゅ~っと抱きしめてみる。いい匂いで、柔らかい小さな優。
身体が疼く。今すぐ抱きたい……





「常…あ!良介、学校遅れます」

「……っそ」




優の味気ない言葉に、泣く泣く身を引く。ほんとコイツ興奮しねーのな。




「はい、五回ね~」

「ええっ?今ので一回帳消しなんじゃぁ……」

「したかったからしただけ~♪」

「ううっ…」





憐れな優は、俺の言いなり(?)になるしかないんだよ~。ごめんね~♪