「ホントは……恥ずかしくてしょうがないけど。私も慣れるように努力するから」





俯いた優から聞こえてくる消え入りそうな声。
でも確かな手応えと、健気な言葉にいてもたってもいられない。




‐ちくしょう…あとどれぐらい我慢すりゃいいんだよ…‐





ぐっと堪えるのがやっと。
そのままゆっくり歩幅を合わせながら歩きだす。






「俺さぁ…」

「……うん」

「もう優しか見ない。この先ずっと、年取ってじぃさんばぁさんになっても…」

「……うん」

「約束。だから優は何があっても俺を信じて?それで、優には俺だけを見ていてほしい」





「はい」



確かに聞こえた優の返事。
俺はこの先、優だけを見て優だけのものでいる自信はある。




歩く度に揺れる、優のフワフワな巻き毛を見下ろしながらこの胸にしっかり刻み込んでいた―――――――