彼女が変身した事情

胸の前で手を交差させて身体を堅くしてる。



「ふーん。俺先に脱ぐから………」
「ええっ!」
「別に俺の事見えねぇなら驚くことなくね?」
「色別くらいはできます!」


完全防御だなおい。まぁ彼氏いない歴=歳の数じゃ仕方ないかぁ。一応下半身にタオルを巻く。




「優。お願い脱いで?このままじゃ絶対風邪引くし、傷手当てできない…」
「……………」

「じゃあさ。下着になって?あとはタオル貸すから巻けばわかんねぇだろ?」
「………………………………………はい。でも、いいって言うまで後ろ向いて下さい」




やっと観念した。これでやっと身体温められる。


「いいです」
「あぁ」


ブラウスとスカートを脱いで下着姿になった優。



-ドキン……-



「やべぇ……」




忘れてた。優の体型はモロ好みなの……。今日はシルク素材のピンク。すげぇ抱きたい。理性が吹っ飛びそう。



「と、常盤さん恥ずかしいです………」



ハッと我に返る。ほとんど感情を表に出さない優が、耳まで真っ赤。



「恥ずかしがんなくていいよ」



見ると肩と肘と腰骨に打撲したような跡。顔、首、胸、腕と足に内出血。手の甲に擦り傷。
ちくしょう、こんなに痛め付けやがって。



「分かった。まず風呂入ろ。身体洗って温まったら手当てしてやる」


自分でやるってきかないから下着を外し、タオルを巻かせた。



シャワーを浴びて身体を洗う。優は断固として洗わせてくれず、後ろを向かされてた。向いた事にして見る事も出来たけど、今回は素直に言うことを聞いといた。



-まともに見たら多分理性がぶっ飛んで、襲っちまうかもな-



見ないのが一番。優を浴槽に浸からせて、身体を洗う。すっかり塩素臭い身体と髪……。


「てっ…………」



頭、切れてるんだっけ………。


「常盤さん!?頭ですか?痛みますか?」
「どん位切れてるかも分かんないしなぁ。多分ちょっとだと思うけど………」
「あぁ見れない。ごめんなさい、こんな時に役に立たなくて」