-今、優っつった!?-



そして次の一言が決定的だった。



「この春こっちに越してきて部屋探してたんだが。その時偶然仕事先で常磐と再会してなぁ」
「部屋探してるっていうから、うちの隣り紹介したんだ」



-やっぱり。こんな偶然てありか!?-



「ん?隣り同士なら見掛けた事くらいあるだろ」



あるも何も……。



「良介、お前まさか……もう手出してないだろうな」
「まさか………」



オメェじゃねーんだよ。でも、マジで運命を感じた。俺の外見は関係なく、中身を見てくれるかも知れない。俺もアイツの外見は関係ない。本気で自分のもんにしたい。はっきり自分の中で意識した瞬間。


-俺は優が欲しい……-


「おじさん」
「なんだい?」
「優の手料理、旨いっすよね」
「えっ!?」



驚いて固まる親父共。


「この話、考えさせて貰います。優を俺に預けて下さい」
「あ、あぁ……」



おっさん少し動揺してる。今ごろ心配になって来たな?……。



「今のうち聞いときますけど。いざとなったら出し惜しみ…なんてことないですよね?」


念を押す。



「お前……まさか食っちゃったのか?」

急に親父が小声でヒソヒソ…

「は?食ってねぇよ、見くびんな」
「だよな。でも向こうの娘さんは真面目で純粋な娘なんだ。軽い遊びならやめとけよ?」


何を今更。



「自慢じゃねーけどアイツと出会ってからヤってねぇよ」
「ちなみに前回は?」
「一週間以上前。女医と」
「ほう。それは凄いよ。俺は…昨日スッチーと♪」



ニンマリ笑う親父。浮気じゃねーか…。



「先輩どうだろう。この話進めてみては。息子も本気の様だし」


親父の後押しでおっさんも頷く。


「よろしく頼むよ」



再度握手。



「しかし優のやつ……」
「おじさん、このこと優はどこまで知ってます?」
「今日はお見合いって話をしたら手洗いに立ってしまって」


-なるほど……-