暖かくて優しい手に、涙が出そうだった。




「……付き合う？」

「えっ」




思いも寄らなかった小池君の言葉に、一瞬頭が理解できない。




「ヤなの？」

「あっ、ううん。まさかと思ってちょっとビックリしちゃって……私でいいの？」




コクンと頷くのを確認したら、ぶわっと涙が溢れた。
小刻みに震えるのが伝わったのか、私を抱き着かせたまま、ちょっと首を動かして半分だけ振り向いた。




「どうした？」





心配してくれてる…嬉しい。

表情のレパートリー乏しくったって、口数少なくったって、これが彼のスタイルなら、私は全部受け止めるよ。


ゴシゴシ目を擦ると、振り向いた彼の顔をしっかり見て笑顔を作った。




「なんでもない。付き合えるなんて思ってもいなかったから…私すごく嬉しいよ」




そのまま、またぎゅって抱きしめる。彼の感触を確かめながら………