「これ!これ、見て?」

姫佳さまは、一冊の雑誌を開いて、わたしに差し出す。

雑誌には、いわゆる、コスプレという格好をした若者たちがたくさんいる。

「却下です」

「まだ、何も言ってないよ~!」

わたしは、軽く息を吐く。

「あなた様のおっしゃりたい事は、大体把握していますし、想像がつきます。コスプレをして、こういったイベントに参加したいのでしょう」

姫佳さまは、言葉を詰まらせてから唸りました。

「だって、本も欲しいし……」

「本、ですか」

「わたしの好きな携帯小説の作家さんが、自費出版で本を出してるから……買いにいきたくて。どうせ買いに行くなら、せっかくだし……コスプレもしたいなって」

わたしはモジモジと動く姫佳さまを見て、軽く息を吐く。

「分かりました。ショッピングと言うことで手配はします。ですが、コスプレの衣装はくれぐれも露出がないものでお願いします。特に、穂佑実さまの衣装はご注意下さい」

わたしはきちんと条件を叩き付けた。

しかし、姫佳さまのお願いは続いた。