「空くん、良い話だったね!」


愛奈は泣いてはなかったけど感動したらしい。
俺はそれどころか映画さえまともに見てないのだから、全くわからなかった。

全部あのカップルのせいだ!
そう思いながらも前にいたカップルを見た。
やっぱりイチャついている。本当にバカップルだ。


「愛奈、行こ。」


急いで愛奈の手を握り映画館を出て、近くの店に入った。何も見ないで入った店。


「空くん、こんなの見るの?!」


顔を赤らめて言う愛奈を不思議そうに見た。


「え、何で?」


ここって危ない店か?
疑問に思いながらも周りを見渡す。


「うわっ・・・!ゴメン!」


俺までもが顔が赤くなる。
とういうより顔が熱くなるのがわかった。

だって俺が入った店は女向けの下着の店だったから。
急いで俺は愛奈の手を引き店から出た。

そして俺達はブラブラと歩いたり、愛奈の行きたい店に行ったりと久しぶりの、お出かけデートを楽しんだ。



もう行くあてもなくなった所で俺が言った言葉。


「公園行く?」


やっぱ俺ってセンスないよな。
公園って・・・デートが公園って。


「うん!行こっか。」


でも愛奈は嫌な顔など見せずに笑顔で答えた。
心の中で後悔しつつ公園へと足を運ぶ。

公園には子供連れの親子がたくさん遊んでいた。
ベンチに座り愛奈と他愛の会話をする。
こんな事でも幸せに感じるのは俺が愛奈にベタ惚れだからかな。


「あ、空くん何か飲む?」

「んー。俺、コーラ飲みたい!」


こんな些細な事でさえ愛奈はとても気が利く。
将来はきっと良い奥さんになるぞ。
ってそんな事を思ってる自分が恥ずかしい。