俺の事だから俺の勝手だろ。

…ったく、泰(やすし)は本っ当に心配性なんだから。


俺は、イライラしながら階段を上っていた。

階段を上りきったら、目の前には大人しそうな顔立ちの2年と、髪の長い2年の二人組が俺の横を通り過ぎて行った。
その時、俺は止まってしまった。

大人しそうな方と目があってしまったからだ。

別に慌てる事ではないが、その時だけ何故か止まってしまった。
そいつは昨年も見た気もするが、でも意識してなかったせいか始めて会う気もした。

でも、やっぱり会った事はあるはずだ。



『どこだっけなぁ…』

俺は呟きながら自分の教室へ向かった。