長い髪が桜と共に靡くその姿はまるで絵のように美しく、女の俺でも惚れそうなほどだった。
一体どれくらい彼女を見ていたのだろうか。
ノアが俺の片足に擦りより、ワンッと鳴くまで俺は彼女を見つめていた。
はっとしてノアを見れば尻尾を振りながら俺を見ていた。
「そろそろ帰ろっか?」
そう言って立ち上がると、ノアはさっきまで俺が見ていた彼女の所へ走り出した。
「ちょっ、ノア待って!」
叫んでも時遅し、ノアは彼女の足に飛びついた。
「キャッ!!」
綺麗な声が俺の耳に届いた。
ノアから体を避ければ横顔しか見えなかった彼女の顔が目に入る。
