「近藤さんは何も悪くないです!!悪いのはあの土方さん!!!私が言っておきますよ、上のお方に頭を下げさせるなって!!!」

近藤は驚きながらもゆっくり顔をあげる。

そんな近藤に美夜は痺れをきらして、近藤の両頬を両手で強く掴み無理矢理顔を上げさせる。


鼻と鼻がくっつきそうな距離で美夜はなるべく声をはった。

「だから…これからもどうぞ店に来てくださいな!!こちらもそちらの方がいいですし!!!!」


そんな美夜に、近藤の胸は最高潮に早鐘をうった。

顔が熱く紅潮してしまう。

今まで憧れだった美夜がこんなにも近くに居る事に近藤はだんだんと頭がくらくらしてきた。


「お龍さん!!!!!」

気がつくと、美夜を抱きしめていた。

突然の事で、動きが制止するも頭の整理が追いつくと共に抵抗する。

しかし、男らしい体には、小さい美夜はすっぽりと包み込まれて離れれない。


「こんどっ…さっ…んぅ!!!」

近藤は、ちゃんと美夜が居るか確認する様にさらに強く抱きしめる。

「お龍さん…ッ!!!」


苦しげに、名前を呼んだかと思うと、一気に近藤の厚い胸板から引きはがされた。

「に゙ゃっ!?……ッ!!!???」


驚いているのも束の間、瞬間、唇に生暖かい感触が。

キスを、されていたのだ。


すこしカサついた唇が、噛み付くように吸い付いて来る。

呼吸をする事を許さないと言わんばかりに舌を強引に絡める。

「……ッ!!…ッ!!」

息もままならず、涙目になってきて足の指先を突っ張らせる。

そして、長すぎた近藤のキス。満足したかは分からないが、一旦ゆっくりと唇は離される。


すると、お互いの唇の間に、日にてらされ反射する銀色の糸が。

「やめっ…て…」

美夜も頭が蕩けるようにぼうっとなって、反抗の言葉は説得力がない。

そんな姿に近藤の心はさらに高ぶってしまう。


大きな体が自分の体におおいかぶさり。

美夜は堅く、堅く目をつむった。