とつぜん声がした。 振り返ると、そこには一人の男の子がいた。 いや、この顔…この背の高さ。 どこかで見たことがある。 どこで? …思い出した。 「木植君?」 「植木です」 りちぎに言い直す植木君。 この植木君は、ものすごく背が低い、中一だ。 校内では「背が低い人」と認識されている。 だか、いじめられたことは、ないらしい。 理由は一つ。 憎めないのだ。