オレが言うと、菊池はボールを止めて振り向いた。 「は?」 「オレでよかったら、聞くけど。」 菊池は黙ってリフティングをする。 それも長くは続かない。 地面におちて、勝手な方向へ転がってくボール。 それを目で追いながら、菊池が言った。 「いい。自分で解決するから。」 「っそ。」 菊池は、何でも自分で解決しようとするもんな。 …でも本当に大丈夫なんだろうか。