オレは竹内が持っているマフラーを取り返す。
すると竹内が握りしめている編みかけの深みどりのマフラーが目に入った。
「お前の彼、東野隼人だったよな?それ、そいつにあげんの?」
少しからかってやろうと、そう言ったのに、竹内は何も言わない。
「竹内?」
不思議に思って竹内の顔を見ると、その目からは、なみだがポロポロと、流れていた。
「どうした?オレ、何か悪いこと言った?」
首をふる竹内。
なみだはまだ止まってない。
まいったな…。
オレがいじめてるみたいじゃん。
それに、竹内が泣くとは。
こいつは、よほどのことがないと、泣かないよな。

