「りえ、おちつけって。」 もう無理。 限界。 ずっとガマンしてきた。 けど、もうダメ。 一度言った言葉は取り消せない。 「もう、いや‼あたしといるのに、沙由里ちゃんのことばかり見てる隼人なんて…いや。」 あたしは立ち上がった。 何か言おうとしてる隼人に背を向ける。 深みどりの編みかけのマフラーを握りしめながら。