「昨日、知り合いになったんだよな? 樹里ちゃん?」

「うん…」

力なく返事をする。

「オレ一服したいから先に行くな」

佐伯くんは、コーヒーを一気に飲み干して、食堂から出て行ってしまった。

佐伯くんの背中がどこか寂しそうに見えたのは気のせい?

「樹里。佐伯とどうなってるの?」

あかねが興味津々に聞いてきた。

三浦あかねは、あたしが入社した時、同じ部署で仕事を教えてくれた。