「ワシの力でじゃよ。 分かっておるじゃろう?」

分かってる。

けど…。

「その力を使えば、…下手をしたら死んでしまう…」

「わかっておる。じゃがな、今の日本の戦を諌めるには、幕末の戦法…。
とくに、旧幕府軍の戦法が一番なのじゃよ。
それは、瑞樹も分かっておるだろう?」

そんなこと、百も承知だ。

四ノ宮家の役目は戦を止め、傷つくものを少しでも減らすこと。

それの為に、次期頭領の私が行かなければならないことは、わかって、いる。

あんな爺さんだけど。

でも…。

それでも…。

たった一人の、家族であることには変わらない。

だから、少しでも危険なことは、してほしくない。

「…瑞樹。お主なら、できるであろう。仮にワシが死んだとしても」