彼女なんて家に連れてきたことのない、寧ろ女といるところを両親に見せたところがない俺。




 相当驚かれてる。





「…ちょ、とりあえず…部屋出てって」

「なんで」

「こいつが起きたらビビるだろ? 昨日、疲れたから寝させてやって」

「…昨日? お前ら…」

「仕事でだよ!! つか、俺らもう20歳過ぎてるし、そんな過保護になられてもな」




 経験の一つや二つあってもおかしくないだろ。






 俺の場合一つや二つじゃ全くおさまらないが。






「んぅ…」





 やべ、大きい声出し過ぎた。





 そう思った時には手遅れで、陽菜が目を擦りながら俺と視線を絡める。





「おはよー…」

「ん、はよ」




 一瞬で両親を見て「出てけ」のオーラをハンパなく駄々漏れさせると、黙って出て行った。





「誰かいた…?」

「気のせいだろ」