冷血男子

 陽菜にはまだ話せてないけど、俺だって仕事はちゃんとしてる。



 結構きちんとした結果も出てるし誇りも持ってるつもり。





 ただこの話をすると距離を置かれてしまいそうで話す機会を失う。





 席に戻ると何杯呑んだのか机にだらーんと伏せて顔を真っ赤にした陽菜が笑ってる。




 客もそれなりに増えて来て、彼方も忙しそうだ。



 少し笑いをこらえて席に向かおうとすると、先に知らない奴が陽菜に話しかけた。





 うわ、あんなベロベロの女に話しかけるとか…ただのバカか、明らかに下心のあるやつだよなー。




 そう思いながら、陽菜を救うべく席に急いだ。



「ねえねえ、俺と呑も~?」



 さっきまで俺の座ってた席に座った男は陽菜の顔を覗き込んだ。





 それだけでも苛立ちと悪寒が爆発しそうだ。



「んぅ~…? やー…陽菜は今、しゅーくんを待ってりゅの~」


「しゅーくん? 彼氏~? いないじゃーん」