「はい、どーぞ」
カウンターの中から水とトマトジュースを渡してきた。
「サンキュ」
「ふふ、愁君トマトジュースだ」
「飲む?」
「いいよ、愁君飲んで」
もうひとつのグラスの水に口を付けた。
いつもの時間帯より遅いせいか人も少なくて、音楽が聞こえるだけだ。
「何食う?」
グイッとカウンターから身を乗り出した奴は陽菜に興味があるらしく、顔を覗きこむ。
「あんな見るなよ。陽菜、何がいい?」
「え、いいの…?」
「いつも作ってもらってるし」
「や…その…ニートからお金取るほど困ってないよ」
に、ニート!!??
俺が…?
「ぶっ!!」
「へ?」
先に笑ったのは奴、佐藤彼方(さとう かなた)。

